2006年より施行されている現行の貸金業法には総量規制という項目が設けられています。
これは収入による借り入れ制限のことで、年収の1/3が個人で借りることのできる上限と定められています。
総量規制が適用される借り入れとは?
この総量規制は全ての借り入れ行為に対して適用される訳ではなく、貸金業法が適用される借り入れだけに限られます。
消費者金融からの借り入れや、クレジットカードを使ったキャッシングがその代表的な例で、総額で年収の1/3までしか借りることができません。
年収が300万円だとするとこの1/3は100万円です。
よって消費者金融を何社利用しても合計して100万円までの借り入れしか行えませんが、1社目でこの100万円まで借りることができれば、2社目以降を利用する必要はありません。
年収の1/3が限度額になる?
現実には1社目で年収の1/3まで借りられることは滅多にありません。
それはキャッシングの利用には年収以外の条件も多く絡む為です。
総量規制はあくまで法的な借り入れ制限というだけで、もちろんそこまで貸さなくてはいけないという訳ではありません。
つまり、いくらまで貸すかは貸す側次第になります。
限度額として多い金額は?
キャッシングの利用が初めての場合、年収に関わらず限度額は30~50万円になることが多いです。
貸す側はまずはこの金額で様子を見て、利用状況次第では限度額を増額しようと考えます。
初めて借り入れを行う人は総量規制の心配はあまりありませんが、きちんと返済を行ってくれるかどうか分からないからです。
現在何も問題なく他のキャッシングを利用している場合や、以前に利用した時に特に問題なく利用していた場合は、そのキャッシングの利用が初めてでも最初から高い限度額で契約を行えることがあります。
このようなこれまでのキャッシングの利用経験はクレヒス(クレジットヒストリー)と呼ばれ、信用情報で管理されており、限度額を決定する大きな要素になっています。
キャッシング以外の利用経験も大切です
クレヒスにはキャッシングだけでなく、クレジットカードを使った記録や、各種のローンについての記録も含まれます。
全くキャッシングを利用したことがなくても、クレジットカードを使って毎月定期的に支払いを行っているような場合には、それらの利用経験さえない人より審査で優遇されたり、限度額が大きくなる傾向があります。
総量規制の対象外と例外とは?
総量規制は貸金業法上の規定なのでこの法律が適用されない借り入れはそもそも対象外です。
その代表的なものは銀行のカードローンで、銀行には銀行法という別の法律が適用されるので銀行からの借り入れは全てこの総量規制の対象外です。
また、貸金業法が適用される金融業者を利用しても、例外となる借り入れがあります。
これには”おまとめローン”と呼ばれる他社からの借り換え専用になる契約や、借りたお金を遣う目的が最初から決まっている”目的別キャッシング(ローン)”などがあります。
年収の1/3以上を借りられるとは限りません
これらを利用すると年収の1/3を超える借り入れを行える場合がありますが、実際にいくらまで借りることができるかは審査次第です。
これは銀行や信用金庫などからの貸金業法が適用されないキャッシングを利用した場合でも同様で、貸す側がここまでなら貸しても問題ないと判断した金額までになります。
極度額とは違います
総量規制が適用されるキャッシングの契約書を見ると、極度額という記載があります。
これこそがその人の総量規制での上限となる金額で、実際に利用できる限度額はそれ以下になり、この極度額を上限として増額も可能という訳です。
限度額は審査次第
年収の1/3までという制限は貸金業法という法律上での話です。
実際にはそこまで借りることができない場合も多く、最初からここまでなら借りられると簡単に考えてはいけません。
最初に決まった限度額は利用状況次第では総量規制を超えない範囲で増額されることがありますが、その会社と契約をした後に更に他社と契約をして、借り入れ総額が総量規制に迫るほど大きくなった場合や、返済を滞らせたような場合には、逆に減らされてしまうこともあります。
この返済の遅延に関しては、その会社に対してだけでなく、他社で行った場合でも同様です。
キャッシングの利用状況は全て信用情報から分かるので、その会社に対してだけきちんと返済を行っていても、他所の利用状況次第でこの限度額の減額を受けてしまうこともあります。
きちんと返済することが一番大切
キャッシングにおける信用とは、きちんと返済日を守ること以外にありません。
これができない人はキャッシングを利用してはいけません。
クレジットカードの利用や各種のローン契約でも同じく、支払日はきちんと守らないといけません。
これらの遅延や未払いもキャッシングの限度額に影響することがあります。それだけ信用情報に記録された各種の利用状況は大切になるということです。